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マフラーの消音方法

ノーマル マフラーの限界

「車は無改造に限る」と考えるのが大人というものだ。さすればメーカー保証も耐久性も車検の問題も快適性もリセールバリューも全てがクリアーになる。

だが日本車メーカーってやつは、アフターパーツを付けたくなるようなライン上に敢えて完成品をもってきているのだろうか?5型RB(RX-7、265PS、マニュアルミッション)のFD3Sもその例外ではなかった。FDは音の面で言うとノーマルマフラーは非常に静かに出来ていて、車内空間は快適そのもの。しかしながらスポーツカーにある種のロマンを求める向きには、いささかものたりなさを感じさせるまとめ方だ。

そもそも100万円で車が買える時代にちょっといい金額を出したのなら、何か「自分はスペシャルなスポーツカーに乗っているのだ」という気分にさせてくれるような、走行性能にプラスしたものを求めてしまうのが人情というもの。その点イタ車は実にうまい。ノーマルで、最初から官能的な素晴らしいサウンドを放ち、感性に訴えかけてくる。

フラストレーションを抱えながらも暫くノーマルで乗っていたある日の車庫入れ時、このFDは「プスッ」と情けない音をそのマフラーから放った。

もう我慢ならん・・・・。私もとうとう社外品のマフラーを取付けることにした。これで高回転まで回した時の苦しさからも開放されるに違いない。

爆音マフラーの消音方法



エスティメイ・ショットガン

最初に購入した社外マフラーは、エスティメイのショットガンだった。メーカーにどんな音がするマフラーなのか直接訊いてみたところ、「レーシーな音」がするという返答だった事と、デュアルテールであることが自分好みに思えたので選んだ。だが、いざそのマフラーを付けてみると、車に対するテールのでかさがちょっと気になる。音量はジェントル志向にはやや向かず、低速トルクの不足感もノーマルEGには顕著に出てしまったようだ。「乗りにくさをテクニックでカバーするのがスポーツカーの醍醐味」と自分に言いきかせるも、1年位で次の候補を探すことになる。

チタンマフラー

ちょうどチタンマフラーが世に多く出始めてきた頃だった。チタン製のマフラーは軽量化にもつながるし、音も高音が強調された官能的レーシングサウンドだという。私はレーシーという語感に弱い。

そこで候補にあがったのがAutoExeのチタンプラスマフラー。ステンレスとチタンのいいとこ取りで製作しているとのことで、クレバーな感じが実に良さそうではないか。マツダのディーラーに訊いても、音は静かだとのこと。静かさではMAZDASPEEDという選択肢もあったが、ノーマルマフラーと大して変わらない代物かもしれないという不安があった(数年後にMAZDASPEEDのマフラーを取付けたFDに試乗する機会があったが、その時の印象はとても良かった)。

ディーラーは最近MAZDASPEEDよりもAutoExeの方ばかりをプッシュしているみたいだし、まあ折り紙付ということだろう。HPでサウンドを聴く事も出来たし、結局そのAutoExeのチタンプラスマフラーをディーラーで購入&取付してもらうことにした。

いざ、そのマフラーを装着。車外で聴く限りでは結構低音が効いている。まあ嫌味はない程度だ。走らせてみると以前よりも明らかに低速トルクが増して走りやすくなり、室内も大分静かになった。高回転まで回したときのチタンマフラーらしい高音サウンドもなかなか魅力的だ。

そう思った。確かにそうなのだが・・・・・。そのうち長く乗っていると正直疲れる、そう感じてきた。特にアクセル・パーシャル時に車内に充満するモオォーンという低音。それと深夜の住宅街での始動時にやや気を遣う音量。我慢ならないほどではないし、EGがあったまれば、静かといえば静かだ。確かに良い音の部類には属するとは思うし、好きな人は気に入って乗っている事だろう。しかし、超ジェントル志向の私にとっては100%満足なものではない、これもまた事実。それが理由で正直運転が楽しく思えない時もある。かといって今更ノーマルマフラーには戻れないし、確かにノーマルマフラーは良くなかった。そう自分に言い聞かせた。

一番の問題は、アクセル・パーシャル時にマフラーから発されて、車内にこもる低音だ。車外の音は、安全上の自己周知手段と割り切り、車内音だけ遮音材・防音材等を床に敷きこむことで消音するということも考えたのだが、低音をカットするには材料に相当厚みが必要なようで、その方法は不可能だということが判明した。果たしてどうやって消音すれば良いのか・・・・・。

マフラー消音方法



マフラーの消音

そんな中、Webで偶然ヒットしたのがESTのインナーサイレンサーだった。

マフラーの中に入れるインナーサイレンサー。オーソドックスだけどそんな消音方法もあった。 とは言っても、車種ごとの専用設計ではない汎用商品なわけで、走行試験もされていないであろうそんな異物を自分の車のマフラーに突っ込んで良い物かと、ちょっとためらいを感じた。しかし、FDの実績もサイトに載っていたし、電話で話を訊いてみると、確かな理論とレースからのフィードバックで製作してるとの事で、信頼が置けそうに思えた。

念の為、高音ばかりが消音されて低音がそのままということにならないか訊いてみたが、その心配はないとのことで、消音効果とトルクアップも見込めるという。まあ、どんなインナーサイレンサーでも低速トルクはあがるのだろうが、自分的にはひとまずマフラーの消音が叶えば善しだ。

テール100パイのラインナップはないが、マフラーのテイルのサイズを伝えればそれに合わせて製作してくれるという。公称100パイのテールは私の実測で101.5パイ位。でも不確かなサイズを言って作ってもらって、うまく入らなかったとしたら果たして誰が責任を取るのか?答えは明白だ。そこで採寸・製作・取付までやってくれるか訊いてみるとOKとの返事。そんなに遠くないし、これはESTに行ってまるごとやってもらうに限る。なんて大人の選択なんだ。これで万事うまくいく?胸は高鳴る。

ESTに行く

翌日約束の時間にESTに行った。場所は結構わかりにくいところにある。早速マフラーのテールの内径を実測してもらった。寺田氏の実測値は101.2パイ。真円ではないので一番小さい箇所を測るのだ。チタンマフラーのテールは、曲げて造るから真円でないのが普通だとのこと。やっぱり実測してもらってよかった。幸い、部材の在庫があるのでインナーサイレンサーは翌日までに完成するとのこと。

その後、車に関する色々な話をきかせてもらって帰る。ちなみに寺田氏はAutoExeの寺田陽次郎氏とは全く無関係な人物とのこと。

インナーサイレンサーの取付

次の日、再びESTに行った。取付前・取付後のデータを取りたかったので、持ち込みのMDによる録音と寺田氏による音量測定を行い、その後さっそく取付作業に入る。仮組み。ジャストで入った。お見事。マフラー・テールの先端に寺田氏自らボルトナット取付用の穴を開ける。チタンへの穴開けは技術と特殊工具が要るようで、時間をかけて丁寧に行っていた。やっぱり大人の選択をしておいて良かった。また、インナーサイレンサーは101パイで製作したとのことで厳密に言えば0.数ミリの隙間があるわけだが、それは理論上無視して良いとの事。



AutoExeチタンプラスマフラー
マフラーの消音
「AutoExeチタンプラスマフラー」の
音量測定時の排気音を聴く(3.2MB)
※ストリーミングではノイズが入るので右クリック→対象をファイルに保存

測定時の音量=アイドリング:68db、4500回転:96db
録音は音量測定位置にてMDで行った。MD購入時のおまけの安物マイクだが、このマフラーの音質の特徴をそこそこ表現できていると思う。96dbというのは車検的にあまりマージンがある数字ではない。



チタンプラスマフラー+ESTインナーサイレンサー
マフラーの消音
「チタンプラスマフラー+ESTインナーサイレンサー」の
音量測定時の排気音を聴く(2.6MB)
※ストリーミングはノイズが入るので右クリック→対象をファイルに保存

測定時の音量=アイドリング:66db、4500回転:86db
アイドリング時で-2db、4500回転時で-10db。だがその数値以上に音質が全く違うことが運転席からも判った。低音が完全にカットオフされている。しかしそのプスプス、ブリブリというプロペラ機のようなマフラー・サウンドに若干不安を感じたのも事実。ちなみに高音の「シャー」という音は、以前から発生していたエアポンプの不調音だが、ディーラー曰く走行に支障はないとのこと。



マフラー消音
車中の音(車速遅め)WAVファイルを聴く(2.8MB)
※ストリーミングはノイズが入るので右クリック→対象をファイルに保存

運転してみる。アイドリング時に運転席に聴こえるのは、エンジンフードからのロータリー独特の「クルルル」という心地良い音のみ。巡航時も、都内を遅めに走る限りではほとんど音がせず、マフラー自体の存在を忘れさせる。マフラーの低音のこもり等は皆無で、消音効果は十分だ。この感覚は、ノーマルマフラーのそれに近い。思い起こされる、忘れかけていたあの夏の甘酸っぱい思い出・・・・・。録音は助手席のMD、窓は閉めた状態にて。



マフラーの消音
車中の音(加速時)WAVファイルを聴く (4.0MB)
※ストリーミングはノイズが入るので右クリック→対象をファイルに保存

静かなだけなら、ノーマルマフラーで良い。しかしこのサイレンサーはただ静かなだけではなかった。エンジンが軽やかに回る。踏めば回転が即座に上昇する。ロータリーの低速トルク不足から完全に脱出だ。音も、車全体からドーパミンが噴出するかのような快感サウンド。録音は助手席のMD、窓は途中から開けた。



マフラーの消音
車中の音(フルスロットル)WAVファイルを聴く(4.9MB)
※ストリーミングではノイズが入るので右クリック→対象をファイルに保存

都内の渋滞路の間隙を縫ってフルスロットルをくれた。低域から一気に高回転まで吹けあがる。踏めば踏んだだけ加速する。気持ちいい。楽しい。爽快だ。ゆっくり走れば静かで、踏み込めば猛烈に加速する。理想的だ。運転がやっと楽しくなった。この感覚は、ノーマルマフラーでも社外マフラーでも味わえなかった。

なんでも本物のレーシングカーは、マフラーの傍まで行かないとその排気音は聴こえないと言う。このインナーサイレンサーは、そんなリアルレーシングサウンドを聴かせてくれる。

これはまさにインナーサイレンサーのIT革命だ。高回転まで回せるという点で、他社のインナーサイレンサーとは決定的に違う。録音は助手席のMD、窓は開けた状態にて。




・・・・・この変わりっぷりで僅か1万円程。ちょっと安すぎやしないだろうか?

実はESTには排気系、吸気系とも他にメニューがあるのだが、それぞれのアイテムを追加したときの違いを感じ楽しんで欲しいとの寺田氏の意図で、同時には付けてくれなかった。早速それらのアイテムも試す予定だ。




※当ページの内容は、筆者の主観に基づき構成されています。チューニング等は自己責任の基行ってください。当ページの内容をまねてトラブルが生じた場合でも、当方は一切の責任を負いません。

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